ガス名 |
無水酢酸 |
分子式 (化学式) |
C4H6O3 |
状態 |
液体 |
色 |
無色 |
臭気 |
強烈な刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
2.7 から 10.3 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G2 |
無水酢酸の概要 |
- ・無水酢酸(Acetic Anhydride)は、化学式「C4H6O3」で表される有機化合物で、酢酸2分子から水1分子が脱水縮合してできた酸無水物です。強烈な刺激臭を持つ無色の液体で、融点は約-73℃、沸点は約139~140℃です。水とは徐々に反応して酢酸になりますが、無機酸が存在すると急激に反応します。クロロホルム、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶けます。
- ・その高い反応性、特にアセチル化剤としての優れた能力から、化学工業において非常に重要な中間原料として位置づけられています。合成繊維、プラスチック、医薬品、香料、染料など、多岐にわたる製品の製造に不可欠な物質です。
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用途 |
- ・アルコールやフェノールと反応して酢酸エステルを生成したり、アミンと反応してアセトアミドを生成したりする「アセチル化反応」に広く用いられます。
- ・アスピリン(アセチルサリチル酸)の主要な原料であり、その他多くの医薬品の合成中間原料として使用されます。
- ・有機化合物の溶解度が高く、化学実験や工業プロセスにおいて、溶剤や反応剤として広く使用されます。
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危険 情報 |
- ・引火点(約49℃、密閉式)が比較的低く、引火性の蒸気を発生します。蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすく、遠距離引火の可能性があります。消防法では危険物第4類第二石油類(非水溶性液体)に指定されています。
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人体の 影響 |
- ・皮膚や眼に強い腐食性を示し、重篤な薬傷や損傷を引き起こします。眼に入ると催涙性を示し、痛み、熱傷、視力喪失に至ることもあります。皮膚に付着すると水ぶくれを生じることがあります。
- ・飲み込むと、腹痛、灼熱感、ショック/虚脱などの症状が認められています。無理に吐かせると、蒸気などが肺に入り、高熱が出て出血性肺炎を引き起こす危険性があります。
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