ガス名 |
アクロレイン |
分子式 (化学式) |
C3H4O |
状態 |
液体 |
色 |
無色から帯黄色 |
臭気 |
鼻にツンとくるような刺激的で不快な悪臭 (焦げた脂肪のような臭い) |
燃焼 範囲 vol% |
2.8 から 31 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G3 |
アクロレインの概要 |
- ・アクロレイン(Acrolein、IUPAC名:プロペナール)は、不飽和アルデヒドの一種で、化学式は「C3H4O」です。常温では無色から帯黄色の液体で、鼻にツンとくるような刺激的で不快な悪臭(焦げた脂肪のような臭い)を持ち、催涙性があります。融点は約-87℃、沸点は約53℃です。水に溶けやすく、多くの有機溶媒にも可溶です。非常に反応性が高く、重合しやすく、空気中で酸化されやすい性質を持ちます。
- ・その高い反応性から様々な有機化合物の合成原料として利用される一方で、非常に強い毒性と刺激性を持つため、環境汚染物質や有害化学物質として厳しく管理されています。食用油を長時間加熱した際の「油酔い」の原因物質としても知られています。
|
用途 |
- ・主にアリルアルコール、さらにアミノ酸の一種であるDL-メチオニン、グルタルアルデヒド、ピリジンなどの合成原料として用いられます。
- ・合成樹脂原料のアクリル酸エステル製造の中間体としても利用されます。
- ・近年では、脳梗塞によって血管が詰まり、周囲の細胞が損傷を受けたときに発生することから、無症状性脳梗塞の検出を行うバイオマーカーとしても注目されています。
|
危険 情報 |
- ・アクロレインを取り扱う際は、その極めて高い引火性、爆発性、そして人体への強い毒性・腐食性を十分に理解し、以下の点に厳重に注意が必要です。
- ・引火点が極めて低く、爆発範囲が広いため、熱、火花、裸火、高温のものなど、すべての着火源から遠ざけ、禁煙を徹底してください。防爆型の電気機器、換気装置、照明設備を使用し、火花を発生させない工具を使用するなど、静電気放電に対する予防措置を講じる必要があります。
|
人体の 影響 |
- ・皮膚や眼への接触、吸入を避けるため、適切な保護手袋(耐薬品性)、顔面シールド、保護衣、そして有機ガス用防毒マスクまたは送気マスクなどの適切な呼吸用保護具を着用してください。催涙性が強いため、特に眼の保護が重要です。
- ・蒸気を吸入すると、灼熱感、咳、息苦しさ、息切れ、咽頭痛、吐き気といった呼吸器系への強い刺激症状が現れます。高濃度では気管支炎や肺水腫を引き起こし、症状は遅れて現れることがあり、生命に危険を及ぼす可能性があります。
- ・眼に接触すると、強い痛み、充血、重度の熱傷を生じ、重篤な眼の損傷や視力喪失に至る可能性が高いです。催涙性も非常に強く、涙が止まらなくなります。
|