ガス名 |
アクリル酸 |
分子式 (化学式) |
C3H4O2 |
状態 |
液体 |
色 |
無色透明 |
臭気 |
酢酸に似た強い刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
2.0 から 8.0 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G2 |
アクリル酸の概要 |
- ・アクリル酸(Acrylic acid、IUPAC名:2-プロペン酸)は化学式「C3H4O2」で、最も簡単な不飽和カルボン酸の一種です。常温では無色透明の液体で、酢酸に似た強い刺激臭を持ちます。融点は約13~14℃、沸点は約141℃です。水、アルコール、エーテルなど多くの有機溶媒と任意の割合で混ざり合います。非常に重合しやすい性質を持つため、市販品には通常、重合防止剤(ヒドロキノンなど)が添加されています。
- ・アクリル酸は、その重合しやすい性質とカルボキシル基を持つことから、高分子材料の主要な原料として極めて重要な物質です。特に、高吸水性樹脂(紙おむつなど)や塗料、接着剤、分散剤、凝集剤、増粘剤など、私たちの日常生活に欠かせない様々な製品の製造に不可欠な基礎化学品です。
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用途 |
- ・高吸水性樹脂(SAP)の原料:アクリル酸を重合・架橋して得られるポリアクリル酸ナトリウムは、非常に高い吸水性を持つため、紙おむつ、生理用品、ペットシートなどの衛生用品に広く利用されています。
- ・各種アクリル酸エステルの原料:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルは、それぞれ重合してアクリル繊維、塗料、粘着剤、接着剤、感圧接着剤、複写機のトナーインクなどの原料となります。
- ・医薬品・日用品:パップ剤や冷却シートなどの医薬品・日用品にも増粘剤として利用されます。
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危険 情報 |
- ・引火点(約51℃、密閉式)が比較的低く、引火性の蒸気を発生します。蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすく、遠距離引火の可能性があります。消防法では危険物第4類第二石油類(水溶性液体)に指定されています。
- ・加熱や光、過酸化物、鉄錆などの不純物の存在下で容易に重合し、その際に大量の反応熱を発生するため、急激な重合反応に至り、爆発する危険性があります。市販品には重合防止剤が添加されていますが、貯蔵・取り扱いには厳重な注意が必要です。
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人体の 影響 |
- ・経口摂取すると有害です。灼熱感、脱力感、胃痙攣、下痢、ショック、意識喪失などを引き起こすことがあります。
- ・皮膚や眼に強い腐食性を示し、重篤な薬傷や損傷を引き起こします。眼に入ると視力喪失に至ることもあります。
- ・長期または反復ばく露により、呼吸器系に障害を起こすおそれがあります。
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