ガス名 |
ノルマルアルカン(C6以上) |
分子式 (化学式) |
CnH2n+2 |
状態 |
常温では液体 |
色 |
– |
臭気 |
– |
燃焼 範囲 vol% |
n-ヘキサン 1.1 から 7.5
n-ヘプタン 1.1 から 7.0
n-オクタン 1.0 から 6.5
n-デカン 0.7 から 5.4 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G3 |
ノルマルアルカン(C6以上)の概要 |
- ・ノルマルアルカン(n-アルカン)は、炭素原子が枝分かれせずに直鎖状に結合し、残りの結合手が水素原子で満たされた飽和炭化水素です。
- ・C6以上とは、炭素原子が6個以上連なった直鎖アルカンを指します。代表的なものには、n-ヘキサン(C6)、n-ヘプタン(C7)、n-オクタン(C8)、n-デカン(C10)などがあります。
- ・これらの物質は、炭素数が増えるにつれて融点、沸点、密度が高くなり、常温では液体として存在します。無極性または極性が非常に小さいため、水にはほとんど溶けませんが、有機溶媒(ジエチルエーテル、トルエンなど)にはよく溶けます。化学的に安定で反応性は低いですが、光(特に紫外線)の存在下ではハロゲン元素と置換反応を起こします。
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用途 |
- ・燃料:ガソリン、灯油、軽油などの主要な成分として、自動車、航空機、暖房用燃料などに利用されます。
- ・溶剤:無極性溶媒として、接着剤、塗料、インク、ゴム、油脂、ワックスなどの製造や洗浄工程で広く使われます。特にn-ヘキサンは、食用油の抽出溶媒としても利用されます。
- ・基準燃料:n-ヘプタンは、オクタン価の基準物質(オクタン価0)として、ガソリンの性能評価に用いられます。
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危険 情報 |
- ・炭素数が少ないほど引火点が低く、特にn-ヘキサン(引火点-22℃)やn-ヘプタン(引火点-4℃)は引火性が高いです。蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすく、遠距離引火の可能性があります。消防法では、炭素数によって危険物第4類第一石油類または第二石油類に指定されます。
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人体の 影響 |
- ・ 蒸気を吸入すると、頭痛、めまい、吐き気、眠気、意識喪失といった中枢神経系の抑制症状(麻酔作用)が現れます。高濃度では呼吸困難や意識不明に至ることもあります。特にn-ヘキサンの慢性的な吸入は、多発性神経炎(手足のしびれ、筋力低下など)を引き起こすことが知られています。
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