ガス名 |
アリルブロマイド |
分子式 (化学式) |
C3H5Br |
状態 |
液体 |
色 |
無色から薄い黄褐色 |
臭気 |
非常に強い刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
2.9 から 11.2 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G3 |
アリルブロマイドの概要 |
- ・アリルブロマイド(Allyl bromide、別名:臭化アリル)は、有機ハロゲン化合物の一種です。常温では無色から薄い黄褐色、または黄色の透明な液体で、刺激臭を持ちます。融点は約-119℃、沸点は約71℃です。水にはわずかに溶けますが、エタノール、クロロホルム、エーテル、アセトン、四塩化炭素などの多くの有機溶媒にはよく溶けます。二重結合と臭素原子を持つため、非常に反応性の高い物質です。
- ・その高い反応性から、様々な有機化合物の合成において「アリル化剤」として重要な役割を果たします。医薬品、染料、香料、農薬などの精密化学品の製造中間体として不可欠な存在です。しかし、同時に非常に強い毒性と引火性を持つため、その取り扱いには厳重な注意が必要です。
|
用途 |
- ・アリル誘導体化合物(アリルグリシジルエーテル、アリルアミン、ジアリルフタレートなど)の合成原料として広く用いられます。
- ・医薬品(鎮静剤、麻酔剤など)、染料、香料などの製造中間体として利用されます。
- ・殺線虫剤、殺虫剤、農業殺菌剤などの農薬原料として使用されることがあります。
|
危険 情報 |
- ・加熱や光にさらされると分解し、臭化水素(HBr)を生成します。また、強酸化剤や還元剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらすことがあります。特定の触媒(酸など)や開始剤の存在下では、発熱を伴う付加重合反応を起こす可能性があります。水とは徐々に反応し、塩酸を生成することがあります。
|
人体の 影響 |
- ・蒸気を吸入すると有毒であり、呼吸器系に強い刺激を与え、咳、息切れ、喉頭炎、息苦しさ、頭痛、吐き気、嘔吐などを引き起こします。高濃度での吸入は生命に危険を及ぼす可能性があります。
- ・発がんのおそれ(H350): 発がん性があるおそれがあります(IARC Group 3、EU CLP Carc. Cat. 2)。
|