ガス名 |
ベンジルアルコール |
分子式 (化学式) |
C6H5CH2OH |
状態 |
液体 |
色 |
無色 |
臭気 |
甘い花のような芳香 |
燃焼 範囲 vol% |
1.3 から 13 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
G2 |
ベンジルアルコールの概要 |
- ・ベンジルアルコール(Benzyl Alcohol、別名:フェニルメタノール、ベンゼンメタノール)は、化学式 C6H5CH2OH で表される芳香族アルコールの一種です。無色透明の液体で、ほのかに甘い花のような芳香を持ちます。ジャスミン、イランイラン、アカシアなどの多くの花精油中に天然に存在し、クランベリーやアプリコットなどの果実からも抽出されます。融点は約-15℃、沸点は約205℃です。水には微溶ですが(約3.5g/100mL)、アルコールやエーテルなど多くの有機溶媒にはよく溶けます。空気中の酸素によって徐々に酸化され、ベンズアルデヒドを経て安息香酸を生じる性質があります。
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用途 |
- ・その甘い芳香と、防腐作用、殺菌作用、溶剤としての特性を併せ持つため、香料、医薬品、化粧品、塗料など、多岐にわたる産業分野で広く利用されています。特に、近年ではパラベン(防腐剤)の代替成分としても注目されています。また局所麻酔薬や防腐剤、殺菌剤として注射剤や外用薬に配合されます。
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危険 情報 |
- ・引火点(約93℃~100℃)を持つ可燃性の液体であり、可燃性の蒸気を発生します。消防法では危険物第4類第三石油類(非水溶性液体)に該当します。
- ・可燃性液体であるため、熱、火花、裸火、高温のものなど、すべての着火源から遠ざけ、禁煙を徹底してください。静電気放電(例えばアース接続)に対する予防措置を講じ、防爆型の電気設備や照明設備を使用することが推奨されます。
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人体の 影響 |
- ・ベンジルアルコールは、主に吸入、皮膚接触、眼への接触、経口摂取によって人体に影響を与える可能性があります。特に、換気の悪い環境下での高濃度ばく露や、乳幼児への使用には注意が必要です。
- ・蒸気を吸入すると、咳、咽頭痛、めまい、頭痛といった呼吸器系や中枢神経系への刺激症状が現れる可能性があります。高濃度では、中枢神経抑制、呼吸中枢の麻痺による呼吸困難、昏睡に至ることもあります。
- ・乳幼児への影響:血管内カテーテル洗浄液の保存剤として使用された場合、低体重児に神経系の阻害や致死を引き起こした事例が報告されています。これは、乳幼児の代謝能力が未熟なためと考えられます。
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