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ビフェニル(Biphenyl)

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対象機材
ガス名 ビフェニル 分子式
(化学式)		 C12H10
状態 結晶性固体
色 白色
臭気 常温では芳香を持つ
燃焼
範囲 vol%		 – 爆発等級 – 発火度 G1
ビフェニルの概要
  • ・ビフェニル（Biphenyl、別名：ジフェニル）は、化学式「C12H10」で表される芳香族炭化水素の一種です。2つのフェニル基（ベンゼン環）が直接炭素-炭素結合で連結した構造を持ちます。常温では芳香を持つ白色の結晶性固体で、昇華性があります。融点は約68～72℃、沸点は約254～255℃です。水には不溶ですが、エーテルや芳香族炭化水素溶剤、アセトン、エタノールなど多くの有機溶媒には可溶です。コールタール中に存在し、熱的に安定な性質を持ちます。
用途
  • ・熱的安定性と特定の物理化学的性質から、主に高温での熱媒体や、防カビ剤、有機合成原料として利用されてきました。特に、ジフェニルエーテルとの共融混合物は、高温で使用可能な熱媒体として重要です。また、その誘導体であるポリ塩化ビフェニル（PCB）は、かつて電気機器の絶縁油などに広く用いられていましたが、その毒性が明らかになり、現在は製造・使用が禁止されています。
  • ・ビフェニルとジフェニルエーテルの共融混合物（例：ダウサムA、サーミノールVP1）は、400℃まで使用可能な高沸点熱媒体として、各種工業（化学、食品、合成樹脂など）の加熱・冷却プロセスに用いられます。
危険
情報
  • ・可燃性の固体であり、加熱により燃焼します。粉末状の場合、粉塵爆発の危険性も考慮する必要があります。
  • ・強塩基や強酸化剤と反応することがあります。加熱すると分解し、二酸化炭素、一酸化炭素、刺激性のフュームを生成します。
人体の
影響
  • ・経口摂取すると有害である可能性があります（ラット経口LD50: 3280 mg/kg）。
  • ・長期または反復ばく露により、肝臓障害、甲状腺機能低下、免疫機能低下、消化管障害、副腎皮質機能低下などが報告されています。
爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級		 スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。

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