ガス名 |
クロロギ酸ブチル |
分子式 (化学式) |
C5H9ClO2 |
状態 |
液体 |
色 |
無色 |
臭気 |
刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
– |
爆発等級 |
– |
発火度 |
– |
クロロギ酸ブチルの概要 |
- ・クロロギ酸ブチル(Butyl Chloroformate)は、化学式「C5H9ClO2」で表されるクロロギ酸エステルの一種です。常温では刺激臭のある無色の液体で、水とは反応して塩化水素を生成します。融点は約-70℃、沸点は約142℃です。非常に反応性が高く、水やアルコール、強塩基、強酸化剤などと激しく反応します。その高い反応性を活かして、医薬品、農薬、ポリマーなどの有機合成において、重要な中間体や試薬として利用されます。特に、アミノ酸の保護基導入やペプチド合成など、複雑な分子の構築に不可欠な役割を果たします。
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用途 |
- ・ペプチド合成:アミノ酸の保護基(例:Boc基)導入や、混合酸無水物法によるペプチド結合形成に用いられます。
- ・医薬品・農薬原料:医薬品や農薬、その他のファインケミカル製品の合成中間体として利用されます。
- ・ポリマー合成:特定のポリマーや樹脂の製造における反応剤として使用されることがあります。
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危険 情報 |
- ・クロロギ酸ブチルは引火性の高い液体であり、吸入すると生命に危険を及ぼす非常に毒性の高い物質です。また、皮膚や眼に対して腐食性を示します。日本の消防法では危険物第4類第二石油類(非水溶性)に分類されます。
- ・水や水分と反応して塩化水素(有毒で腐食性のフューム)を生じます。燃焼すると分解し、有毒で腐食性のフュームを放出します。
- ・強酸化剤、強塩基(アミンを含む)、アルコール、エーテル(微量の金属塩存在下で激しく反応)とは混触危険です。
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人体の 影響 |
- ・クロロギ酸ブチルは、その腐食性と毒性から、主に吸入、皮膚接触、眼への接触、経口摂取によって人体に重篤な影響を与える可能性があります。
- ・蒸気を吸入すると極めて毒性が高く、灼熱感、咳、息苦しさ、息切れ、咽頭痛などの呼吸器症状を引き起こします。症状は遅れて現れることがあり、特に肺水腫の症状は2~3時間経過するまで現れない場合が多く、安静を保たないと悪化します。呼吸器系に刺激性および腐食性を示し、遅発性の急性肺障害を起こし得ます。
- ・皮膚への接触:接触により重篤な皮膚の薬傷(化学やけど)を引き起こします。痛み、発赤、水疱、壊死などの症状が現れます
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