ガス名 |
クロトン酸 |
分子式 (化学式) |
C4H6O2 |
状態 |
結晶または粉末 |
色 |
白色~黄色 |
臭気 |
常温では刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
6.0 から 15.1 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
G2 |
クロトン酸の概要 |
- ・クロトン酸(Crotonic acid、別名:トランス-2-ブテン酸、trans-2-Butenoic acid)は、化学式「C4H6O2」で表される不飽和カルボン酸の一種です。炭素数4のモノ不飽和脂肪酸で、2位の炭素間にトランス型の二重結合を持つことが特徴です。常温では刺激臭のある白色~黄色の結晶または粉末です。融点は約72℃、沸点は約185~189℃です。水、エタノール、アセトンをはじめとする多くの有機溶媒に可溶です。弱酸性を示し、光や過酸化物の作用によって重合したり、変質したりするおそれがあります。同じ化学式でシス型の二重結合を持つ幾何異性体は「イソクロトン酸(isocrotonic acid)」と呼ばれますが、クロトン酸(トランス体)の方が安定です。
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用途 |
- ・二重結合とカルボキシ基の反応性を活かして、様々なポリマーや共重合体の原料として利用されています。また、医薬品や香料などの有機合成中間体としても重要です。
- ・合成された共重合化合物は、皮膜形成材、接着剤、ヘアスタイリング剤、塗料、コーティング剤などに使用されます。
- ・ガンマ線を用いたクロトン酸ハイドロゲルシステムの共重合にも用いられ、架橋共重合体クロトン酸ハイドロゲルは、肥料や薬剤を徐放し、環境汚染の防止に効果があるとされています。
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危険 情報 |
- ・クロトン酸は可燃性固体であり、皮膚や眼に腐食性・刺激性を示す物質です。
- ・紫外線や湿気の影響下で重合することがあり、火災や爆発の危険を生じる可能性があります。水溶液は弱酸であり、強塩基および過酸化物と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらすことがあります。加熱すると有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれがあります。
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人体の 影響 |
- ・エアロゾルや粉末状の場合、拡散すると浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがあり、吸入により気道刺激、咽頭痛、咳などの呼吸器症状を引き起こします。長期または反復ばく露により、肺に重篤な損傷(閉塞性細気管支炎など)を引き起こす可能性があります。
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