| ガス名 |
メチルエチルケトンパーオキサイド |
分子式 (化学式) |
C8H18O6 |
| 状態 |
常温では液体(通常は溶剤に希釈された状態で流通) |
| 色 |
無色透明~ごく淡い黄色 |
| 臭気 |
刺激臭、ごくわずかなケトン臭または過酸化物特有の臭気 |
燃焼 範囲 vol% |
– |
爆発等級 |
– |
発火度 |
– |
| メチルエチルケトンパーオキサイドの概要 |
- ・メチルエチルケトンパーオキサイド(Methyl Ethyl Ketone Peroxide、MEKPO:化学式「C8H18O6」)は、メチルエチルケトン(MEK)と過酸化水素(H2O2)から合成される有機過酸化物です。常温では無色透明の液体ですが、工業的には安定性を高めるため、フタル酸ジメチルなどの不活性溶剤に希釈された状態で供給・使用されます。その主な役割は、不飽和ポリエステル樹脂の硬化開始剤(触媒)です。室温硬化が可能であるため、FRP(繊維強化プラスチック)製品の製造や、塗料、接着剤の分野で非常に重要です。
- ・別名:メチルエチルケトンヒドロパーオキサイド、2-ブタノンペルオキシド
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| 用途 |
- ・樹脂硬化剤:不飽和ポリエステル樹脂(FRP、人造大理石など)の硬化開始剤(ラジカル発生剤)。
- ・重合開始剤:特定のビニルモノマーの重合反応開始。
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危険 情報 |
- ・極めて高い反応性・爆発性:消防法上の危険物(第5類 有機過酸化物)に指定されています。加熱、衝撃、摩擦、または酸、アルカリ、重金属などの不純物との接触により、急激な分解や爆発を引き起こす危険性があります。
- ・自己反応性物質:熱分解により酸素を放出し、発火する危険性があります。貯蔵・取り扱いは、指定された温度以下(冷暗所)で行う必要があります。
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人体の 影響 |
- ・皮膚・眼への接触:濃厚な溶液は、皮膚や眼に重度の化学火傷(腐食)を引き起こします。眼に入った場合は失明の危険性があります。
- ・吸入:蒸気や分解ガスを吸入すると、呼吸器系の粘膜を強く刺激し、肺水腫などの重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。
- ・経口摂取:消化管に重度の腐食を引き起こし、生命に関わる危険性があります。
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