ガス名 |
n-ブチルメルカプタン |
分子式 (化学式) |
C4H10S |
状態 |
液体 |
色 |
無色から淡い黄色 |
臭気 |
非常に強烈な、ニンニク、キャベツ、またはスカンクのような不快臭 |
燃焼 範囲 vol% |
1.4 から 11.3 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
G3 |
n-ブチルメルカプタンの概要 |
- ・n-ブチルメルカプタン(n-Butyl Mercaptan、別名:1-ブタンチオール、Butane-1-thiol)は、化学式「C4H10S」で表されるアルキルチオールの一種です。常温では無色から淡い黄色の液体で、非常に強烈な、ニンニク、キャベツ、またはスカンクのような不快臭が特徴です。水にはわずかに溶けますが、アルコールやエーテルなど多くの有機溶媒にはよく溶けます。融点は約-116℃、沸点は約98~110℃です。蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすい性質を持っています。
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用途 |
- ・その硫黄原子の反応性を利用して、様々な有機合成反応の原料として用いられます。特に、その強烈な臭気は、微量でも容易に検出できるため、ガス漏れ検知用の着臭剤として利用されるなど、特定の安全用途で重要な役割を果たします。
- ・農薬(殺虫剤、除草剤)、医薬品の製造中間体として使用されます。
- ・潤滑油添加剤、蒸気ボイラー、給水加熱器、配管、熱交換器などの金属表面洗浄剤としても使用されます。
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危険 情報 |
- ・n-ブチルメルカプタンは、極めて引火性が高く、吸入すると有害であり、皮膚や眼に刺激性を示す物質です。日本の消防法では危険物第4類第一石油類(非水溶性)に分類されます。
- ・加熱すると分解し、有毒な硫黄酸化物(例:二酸化硫黄)のフュームを発生します。酸素や強酸化剤(塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物など)と反応する可能性があります。
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人体の 影響 |
- ・n-ブチルメルカプタンは、その毒性と刺激性から、主に吸入、皮膚接触、眼への接触、経口摂取によって人体に影響を与える可能性があります。
- ・蒸気を吸入すると有害であり、呼吸器への刺激(咳、咽頭痛、鼻と喉の痛み)を引き起こします。
- ・長期または反復ばく露により、気管支収縮、気管支炎、肺水腫などの呼吸器系への影響や、甲状腺、神経系への影響が報告されています。
- ・また、赤血球の酸化損傷や溶血、貧血を引き起こす可能性も指摘されています。
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