ガス名 |
パラジクロロベンゼン |
分子式 (化学式) |
C6H4Cl2 |
状態 |
固体 |
色 |
無色または白色 |
臭気 |
特有の強い芳香(ナフタリンに似た刺激臭、または樟脳のような臭い) |
燃焼 範囲 vol% |
1.7 から 10.5 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
G1 |
パラジクロロベンゼンの概要 |
- ・パラジクロロベンゼン(p-Dichlorobenzene)(別名:1,4-ジクロロベンゼン (1,4-Dichlorobenzene)、PDCB、ナフタリン(ナフタレンとは異なる))は、化学式「C6H4Cl2」を持つ有機塩素化合物で、ベンゼン環の反対側の炭素原子(1位と4位)に2つの塩素原子が置換した構造を持つものです。ジクロロベンゼンにはオルト(o-)、メタ(m-)、パラ(p-)の3つの異性体がありますが、パラジクロロベンゼンはその中でも特に衣類の防虫剤やトイレの芳香剤として広く使用されてきた固体です。特徴的な臭気を持ち、昇華性(固体から直接気体になる性質)があるため、徐々に揮発して効果を発揮します。
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用途 |
- ・衣類用防虫剤:繊維製品の害虫の駆除。
- ・化学合成中間体:医薬品、農薬、染料などの有機化学品の合成における中間体として利用されることがあります。
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危険 情報 |
- ・パラジクロロベンゼンは白色固体であり、引火性液体とは異なりますが、加熱により蒸気を発生し、可燃性となります。
- ・爆発性物質としては分類されていませんが、加熱により発生する可燃性蒸気が空気と混合すると爆発の危険性があります。
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人体の 影響 |
- ・誤って経口摂取した場合、吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状を引き起こす可能性があります。大量摂取の場合、肝臓や腎臓に毒性を示す可能性があります。
- ・国際がん研究機関(IARC)では、パラジクロロベンゼンをヒトに対する発がん性の可能性がある物質(グループ2B)に分類しています。動物実験では肝臓や腎臓への影響、腫瘍発生の増加が報告されており、ヒトにおいても長期的な曝露によるこれらのリスクが懸念されています。
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