| ガス名 |
石油エーテル |
分子式 (化学式) |
特定の単一化学式はありません。主にC5~C7程度の炭化水素の混合物です。 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明 |
| 臭気 |
軽油またはガソリンに似たわずかな臭気 |
燃焼 範囲 vol% |
1.0 から 8.0 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
G3 |
| 石油エーテルの概要 |
- ・石油エーテル (Petroleum Ether) は、特定の沸点範囲(通常30~60℃、40~60℃、60~80℃など)で精製された石油留分からなる、炭化水素化合物の混合物です。主にペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素(パラフィン)で構成されており、エーテル結合(-O-)は含んでいません。その名称は、ジエチルエーテルに似た低い沸点と高い揮発性を持つことに由来しますが、化学的には全く異なる物質です。強力な非極性溶剤として、油脂やワックスなどの抽出・分離に用いられます。
- ・別名:ペトロールエーテル、リグロイン(Ligroin、沸点範囲が広いもの)、石油ベンジン、ナフサ(Naphtha)の一部
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| 用途 |
- ・有機合成や抽出、クロマトグラフィー(特にカラムクロマトグラフィー)の溶媒として頻繁に使用されます。油脂、ワックス、樹脂、ゴム、顔料などの非極性物質の溶解に適しています。
- ・ゴムや接着剤の製造、塗料やワニスの希釈剤、ドライクリーニング溶剤、抽出溶剤(例:植物油、精油)、脱脂洗浄剤として使用されます。
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危険 情報 |
- ・極めて引火性の高い液体及び蒸気:非常に引火しやすく、わずかな着火源(火花、静電気、熱、裸火など)でも容易に引火・爆発します。蒸気は空気より重く、低所に滞留し、離れた場所まで拡散して引火源に到達し、引火・爆発するおそれがあります。
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人体の 影響 |
- ・中枢神経系の抑制作用が強まり、意識喪失、呼吸困難、麻酔作用、最悪の場合には死に至る可能性があります。換気の悪い場所での作業は特に危険です。
- ・一部の成分(特にn-ヘキサンなど)は、長期反復暴露により末梢神経障害(手足のしびれ、筋力低下など)を引き起こす可能性があります。
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