| ガス名 |
クロロぎ酸フェニル |
分子式 (化学式) |
C7H5ClO2 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明 |
| 臭気 |
強い刺激臭 |
燃焼 範囲 vol% |
1.0 から 9.0 |
爆発等級 |
– |
発火度 |
– |
| クロロぎ酸フェニルの概要 |
- ・クロロぎ酸フェニル (Phenyl Chloroformate:化学式「C7H5ClO2」)は、クロロぎ酸エステルの一種で、フェノールとホスゲン(またはその等価物)から合成される中間体です。強力な試薬として、アミノ基の保護や、その他のカーボネート、ウレタン、尿素誘導体の合成に用いられます。水や湿気と激しく反応して塩化水素(HCl)などの有毒な腐食性ガスを発生するため、取り扱いに極めて注意が必要です。
- ・別名:クロロ炭酸フェニル (Phenyl chlorocarbonate)、クロロギ酸フェニルエステル (Chloroformic acid phenyl ester)、フェニルカーボノクロリダート (Phenyl carbonochloridate)
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| 用途 |
- ・アルコールやフェノールと反応して炭酸エステルを形成するための前駆体として使用されます。これらの炭酸エステルは、ポリカーボネート樹脂の原料や医薬品、農薬などの製造に利用されます。
- ・アミンと反応してウレタンを形成するための試薬として用いられます。ウレタンは、ポリウレタン、農薬(カーバメート系殺虫剤)、医薬品などの合成に重要です。
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危険 情報 |
- ・日本の危険物規制における分類では、その引火点(後述)から「危険物第四類 第三石油類(非水溶性)」に分類されます。これは、常温では引火しにくいものの、加熱されたり、高濃度の蒸気が存在したりする環境では引火・爆発の危険性があることを意味します。
- ・加熱により容器が爆発するおそれがあります。
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人体の 影響 |
- ・蒸気を吸入すると、気道と肺組織に極めて深刻な腐食性損傷を与え、肺水腫を引き起こし、遅発性に致死に至る危険性があります。
- ・直接接触すると、皮膚に激しい痛み、発赤、水疱、壊死などの重篤な化学熱傷(薬傷)を引き起こします。皮膚から吸収され、全身毒性を引き起こす可能性もあります。
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