硫化水素(Hydrogen sulfide)
ガス名 |
硫化水素(Hydrogen sulfide) |
分子式 (化学式) |
H2S |
状態 |
気体(液化ガス) |
色 |
無色 |
臭気 |
卵が腐った臭い |
燃焼 範囲 vol% |
4.3 から 45.5 |
爆発等級 |
2 |
発火度 |
G3 |
用途 |
- ・分析試験、金属の精製、各種工業用薬品、農薬、皮革処理、医薬品製造など。
|
危険 情報 |
- ・空気と広範囲に爆発性混合ガスをつくり、爆発しやすい。
|
人体の 影響 |
人体への影響
硫化水素は下水処理場や、土木工事の地下作業などで発生する恐れがあります。
目、鼻、のどの粘膜を刺激します。高濃度で甘い臭いに近くなり、次いで嗅覚が麻痺します。
警告性がなくなるので注意を必要とします。
高濃度のガスを吸入すると、頭痛やめまい、歩行の乱れ、呼吸障害を起こします。
ひどい場合は、意識不明、けいれん、呼吸麻痺を起こし、死亡します。
- ・急性中毒では、頭痛、歩行の不安定、血圧低下などを招きます。
濃度[ppm] |
作用 |
0.3 |
明らかに臭気を感じる。 |
5 |
不快感が起きる。 |
50 |
呼吸起動が刺激され、障害が起こる。 |
100 |
暴露が長引けば激しい中毒が起こる。 |
800 |
直ちに致命的な急性中毒にかかる。 |
|
爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
1 |
0.6mmを超えるもの |
2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
3 |
0.4mm以下のもの |
|
|
発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
発火度 |
発火温度 |
G1 |
450℃を超えるもの。 |
G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
|
硫化水素中毒と酸素の危険濃度と測定について
私たちが暮らしている環境では、一般的に酸素は空気中に20.9%含まれており、硫化水素はほとんど存在していません。 しかし、作業現場や工場では酸素の濃度が減少していたり、硫化水素が存在していることがあります。そのような場所では作業をする方々に危険を及ぼす可能性があるため 間違いのないようにしていただくことが重要になります。
以下の作業場所では十分注意していただく必要があります。
- ・トンネル・立抗・地下室・鉱山や炭鉱・石油工場や化学工場・造船場や船倉・下水道や下水処理施設
- ・清掃工場や汚泥処理施設・製紙工場・食肉や魚肉などの食品加工工場・火山地帯や温泉地域 など
硫化水素中毒と酸素欠乏症の危険性について
酸素は無色無臭の気体のため濃度が変化しても気が付きませんが、その濃度が低下し16%になると人体に影響を及ぼします。さらに濃度が低下すると死に至ることもあります。酸素濃度は18%以上であることが条件です。
硫化水素も無色の気体ですが、特有の腐卵臭があります。その濃度が20ppmを超えると嗅覚が麻痺し判別が困難になります。さらに濃度が増加すると死に至ることもあります。硫化水素濃度は10ppm以下であることが条件です。
ガス検知器の使用例について
作業開始前や昼休みなどの作業中断後には必ず作業現場の酸素と硫化水素の濃度測定を行います。
作業中も引続き作業者付近の酸素と硫化水素の濃度測定を行うことが必要です。
また作業現場は引き続き換気を行い、常に酸素が18%以上、硫化水素が10ppm以下であることをガス検知器で常時測定し確認することが大切です。
測定した値は必ず記録しておき、3年間は保管しておく必要があります。
硫化水素(Hydrogen sulfide)でお悩みならプロに相談!!